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庭師の教える庭木の手入れ 樹勢回復編

京都 幻の都長岡京生まれの庭師
梅鉢園(うめばちえん)の梅野です。

今年は年明け寒く、桜やツツジの開花も遅く、乙訓名産のタケノコも
10年に一度の不作でした。
夏場は関東では雨続きで、猛暑と気候が安定しませんでした。
 人間は空調や移動ができ、水分や養分を自ら補給できますが、植物はそういう訳にはいきません。(当たり前ですが・・・)
大切な木ほど観察が必要です。
 これは梅の木ですが幹の腐朽が進行し、開口空洞化していました。
原因はコスカシバという害虫にやられたか、夏場に強剪定し、水分の逃げ場をなくし、樹木内で湿気がこもり幹を侵食したかの原因とみられました。


まずは腐朽部分が拡大しないよう鋭利な刃物で切除していきます。
できるだけ健全な個所を傷つけないよう注意が必要です。

除去できたら殺虫剤を隙間にも届くよう散布します。

患部に殺菌剤を塗布します。

塗り終えたらペースト状の殺菌剤を塗ります。


最後に養生し、支柱をして応急措置の完成です。
樹木が弱っている場合は根元を土壌改良するのが最も効果的ですが、作業時期は冬場が適期になりますので、今回はこれで様子見です。
支柱をするのもできるだけ景色の一部になるよう心がけるのが庭師の務めです。